VBScript(Visual Basic Scripting Edition)は、主にWindows環境で使用されるスクリプト言語です。
VBScriptを使用すると、システム管理やWebページの操作など、多くのタスクを自動化できます。
ただし、標準ではGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を直接作成する機能は備わっていません。
しかし、VBScriptを使って簡易なGUIを作成するためのいくつかの方法があります。
今回は、MSHTA(Microsoft HTML Application)を利用して、VBScriptで簡易なGUIを作成する方法をご紹介します。
本記事は、実践編としてVBScriptとHTMLの基本的な文法がわかる中級者の方にご紹介しています。
基本的な文法がわからない方は、初級編の記事も紹介しているのでそちらを参考にしてください。
MSHTAとは?
MSHTAは、HTMLアプリケーションを実行するためのWindowsコンポーネントです。
HTML、CSS、およびJavaScriptを使用して、シンプルなGUIを作成し、それをVBScriptで操作することが可能です。
GUI作成の手順
- HTMLファイルの作成
- VBScriptの埋め込み
- MSHTAでの実行
ステップ1: HTMLファイルの作成
まず、基本的なHTMLファイルを作成します。
このファイルには、シンプルなフォームやボタンなどのGUIコンポーネントを含めます。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>VBScript GUI Example</title>
</head>
<body>
<h1>VBScriptで簡易なGUI</h1>
<form id="myForm">
<label for="inputText">入力テキスト:</label>
<input type="text" id="inputText">
<button type="button" onclick="submitForm()">送信</button>
</form>
<p id="outputText"></p>
<script type="text/vbscript">
Sub submitForm()
Dim inputText, outputText
inputText = Document.getElementById("inputText").Value
outputText = "入力されたテキスト: " & inputText
Document.getElementById("outputText").innerText = outputText
End Sub
</script>
</body>
</html>
このHTMLファイルには、テキスト入力フィールドと送信ボタンがあります。
ユーザーがテキストを入力し、送信ボタンをクリックすると、VBScriptが実行されて結果が表示されます。
ステップ2: VBScriptの埋め込み
上記のHTMLファイル内に、VBScriptコードを直接埋め込んでいます。
VBScriptコードは、HTML要素にアクセスし、ユーザーの入力に応じて処理を行います。
<script type="text/vbscript">
Sub submitForm()
Dim inputText, outputText
inputText = Document.getElementById("inputText").Value
outputText = "入力されたテキスト: " & inputText
Document.getElementById("outputText").innerText = outputText
End Sub
</script>
ステップ3: MSHTAでの実行
作成したHTMLファイルをMSHTA
で実行します。
以下のようにコマンドプロンプトから実行できます。
mshta.exe "htmlファイルのフルパスをここに記述"
このコマンドを実行すると、HTMLファイルがウィンドウとして開き、GUIが表示されます。
まとめ
VBScriptを使用して簡易なGUIを作成するには、MSHTAを利用する方法が便利です。
HTMLとVBScriptを組み合わせることで、ユーザー入力を処理し、結果を表示するシンプルなアプリケーションを作成することができます。
MSHTAを使うことで、VBScriptの範囲を超えて、視覚的にリッチなインタフェースを実現できます。