VBScriptは、Windowsのパソコンを持っていれば、誰でも簡単にプログラミングが習得できる言語です。
プログラミングにより作成したVBScriptファイルを実行することで業務の効率化につながるなど非常に便利です。
当記事では、VBScriptについてご紹介します。少しでもお役に立てば、幸いです。
VBScriptとは
VBScript(ブイ・ビー・スクリプト)またはVBS(ブイ・ビー・エス)は、Visual Basic Scripting Edition(のことでMicrosoft社によって開発されたスクリプト言語の一種であり、主にWindows環境で利用されます。
VBScriptは、Visual Basic言語をベースに設計されたものでクライアントサイドのスクリプトとして使用され、ユーザーのインタラクションに応じた動的な機能を提供するために使われます。
また、VBScriptはInternet Explorerでのみサポートされており、現在のウェブ開発では主にJavaScriptが利用されています。
VBScript言語には、定数、変数、配列、条件分岐、ループ、サブルーチン、関数などの基本的なプログラミング機能が備わっています。
Windows環境で使用される他の言語に比べて、シンプルで簡潔な構文を備えているため、初心者でも学びやすく、実践的に使用できます。
Windows Script Hostとは
Windows Script Host()または WSH(ダブリュー・エス・エイチ)は、Microsoft Windowsオペレーティングシステム(OS)に組み込まれたスクリプトホスティングテクノロジーです。
Windows XP、Windows Vista、Windows 7、Windows 8、およびWindows 10などのWindows OSで利用できます。
Windows Script Hostバージョン5.7とバージョン5.8があり、それぞれに対応するスクリプト言語のバージョンも異なります。
VBScriptやJScriptなどのスクリプト言語を動作させることができます。
Windows上でVBScriptファイルをダブルクリックなどで実行することで動作します。
Windows APIやCOMオブジェクトなどのOS機能にアクセスできるようにすることで、ユーザー環境における様々なタスクの自動化や管理を支援します。
Windows上で動作するVBScriptファイルは、テキストファイルです。
テキストエディタを用いて、VBScriptファイルにプログラムを記述していきます。
WindowsOSの機能の一部としてWSHを使用できるため、ユーザーが環境構築をすることなく開発ができます。
VBScriptで出来ること
VBScriptは、以下のようなタスクを実行することができます。
ファイル操作
ファイルやフォルダの作成、削除、コピー、移動、リネームができ、ファイルの内容の読み書きができます。
レジストリ操作
レジストリキーや値の作成、読み取り、変更、削除ができます。
システム管理タスク
ユーザーアカウントの作成や削除、サービスの開始や停止、システム情報(例:OSバージョン、メモリ、ディスク容量)の取得ができます。
自動化
アプリケーションの操作の自動化(例:ExcelやWordの操作)、バッチ処理の自動化、スケジュールされたタスクの実行ができます。
ネットワーク操作
ネットワーク共有フォルダへのアクセス、ネットワークドライブのマッピング、インターネット経由でのデータの取得や送信ができます。
ユーザーインターフェース
メッセージボックスや入力ボックスの表示、簡単なGUIの作成ができます。
エラーハンドリング
エラー処理を組み込んで、スクリプトの安定性を向上させます。
VBScriptの特徴
Visual Basic言語の構文を真似て作られたため、Microsoft 365のExcelやAccessで利用できるプログラミング言語のVBAやVB.NETと構文がほとんど同じです。
VBSを学んでおくことで、他のVB系の言語を学ぶ際に理解のスピードが格段に上がります。
また、Windowsに標準で搭載されている言語のため、Windowsを持っている方であれば、無料でVBSを学ぶことができます。
VBScriptはセキュリティ上のリスクが高いため、現代のウェブ開発では推奨されていません。
特にクロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃のリスクが高まるため、ユーザーのセキュリティを確保するためにはVBScriptの使用を避けるべきです。
Microsoft社は、VBScriptを段階的に廃止にする動きがあります。
なので将来的に利用できなくなる可能性があるため、「業務の一部を少し自動化したいな」などちょっとしたことに使うことをオススメします。
実際に私もMicrosoft 365のAccess内の値を他の値に置換したいときなどにVBSを使った経験があります。
VBSの特徴まとめ |
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無料 |
開発環境の構築が不要 |
他のVB系の言語と構文が似ている |
実行時に構文が正しいかチェックされる |
Microsoft 365製品と連携できる |
パソコンの情報の取得やファイル操作ができる |
Internet Explorerのみサポート |
ウェブ開発では推奨されていない |
モバイルデバイスではVBScriptはほとんどサポートされていない |
VBScriptファイルの作成方法と実行の仕方
テキストエディターを用いてテキストファイルへプログラミングしていくと解説してきました。
一般的なテキストファイルの拡張子は、「txt」ですが、VBSで使用するファイルの拡張子は、「vbs」です。
拡張子「txt」で作成したテキストファイルを拡張子「vbs」に変更する必要があります。
拡張子「vbs」にすることでWindowsが「これはVBSなんだ」と認識してくれます。
具体的なVBSファイルの作成手順は、とても簡単です。
- エクスプローラー上でテキストファイルを新規作成する
- テキストファイル内にVBSを記述する
- テキストファイルのファイル名の拡張子を「.txt」から「.vbs」に変更する
VBSファイルが作成できたら、後は実行して、動作を確認しましょう。
実行方法もとても簡単で、VBSファイルを「ダブルクリック」するだけです。
実行されるとVBSファイルの一番上の一行目から順に処理が開始されます。