Unityエディターの基本操作 – シーンビューとゲームビューの違い

Unityは、ゲーム開発に広く使われている人気のゲームエンジンです。初心者でも簡単に扱えるように設計されており、多くの開発者が利用しています。

Unityエディターには、さまざまなビューが用意されており、それぞれ異なる目的で使用されます。特に「シーンビュー」と「ゲームビュー」の違いを理解することは、スムーズな開発の第一歩です。

この記事では、Unityエディターの基本操作の一つであるシーンビューとゲームビューの違いを詳しく解説し、それぞれの特徴や使い方について学んでいきます。最後には、学んだ内容を確認できる演習問題も用意しているので、ぜひ挑戦してみてください。


Unityエディターの基本構成

Unityエディターを開くと、さまざまなウィンドウが表示されます。主に以下のような構成になっています。

  • シーンビュー(Scene View)
    → ゲームの開発やデザインを行うための作業スペース
  • ゲームビュー(Game View)
    → 実際のゲームプレイを確認する画面
  • ヒエラルキー(Hierarchy)
    → シーン内に配置されたオブジェクトの一覧
  • インスペクター(Inspector)
    → 選択したオブジェクトの詳細情報を表示
  • プロジェクト(Project)
    → ゲームで使用するアセット(素材)を管理
  • コンソール(Console)
    → エラーやデバッグ情報を表示

今回は、特に重要な「シーンビュー」と「ゲームビュー」に焦点を当てて説明します。


シーンビューとは?

シーンビューの概要

シーンビュー(Scene View)は、ゲームの開発作業を行うためのメインの作業空間です。このビューでは、3Dや2Dのオブジェクトを自由に配置し、編集することができます。

ゲーム内のワールドを作成し、オブジェクトの位置や回転、スケールなどを調整するのに使用されます。

シーンビューの主な機能

オブジェクトの配置や移動、回転、スケールの調整

ツールバーの「Move(移動)」「Rotate(回転)」「Scale(拡大縮小)」ツールを使って、オブジェクトの配置や姿勢を直感的に調整します。キーボードショートカットを覚えると、作業効率が大幅に向上します。

カメラの視点変更スケールの調整

シーンビュー内では、右クリックを押しながらマウスを動かすとカメラの方向が変わり、WASDキーで移動も可能です。ホイールスクロールによりズームイン・アウトができます。

ワイヤーフレーム表示

シーンのオブジェクトをワイヤーフレームで確認できる。

グリッドの活用

整列させてオブジェクトを配置しやすくする。

シーンビューの活用ポイント

  • ゲーム内のワールドを見やすく調整できる
  • オブジェクトの配置や環境のデザインが直感的に行える
  • ゲームの視点とは異なる角度からオブジェクトを操作できる

ゲームビューとは?

ゲームビューの概要

ゲームビューは、実際のゲームプレイ中の見た目を確認するための画面です。

ここでは、ゲーム内で使用するカメラの視点が反映され、ユーザーが体験する画面がどのように見えるかをリアルタイムで確認できます。

プレイモードに入ることで、スクリプトの動作やアニメーション、物理演算などが実際に動作する様子をチェックできます。

ゲームビューの主な機能

  • ゲームプレイの確認
    上部の「再生ボタン(▶)」を押すと、ゲームが実際に動作し、ゲームビューで確認できます。これにより、シーンビュー上で設定したオブジェクトの動作やカメラワークが正しく反映されているかを確認します。
  • 解像度とアスペクト比の設定
    ゲームビューの上部にあるメニューから、複数の解像度やアスペクト比を選択可能です。これにより、PC、スマートフォン、タブレットなど異なるデバイスでの見た目をシミュレーションできます。
  • UIの確認
    ユーザーインターフェース(UI)の配置や大きさ、色調整を行う際、ゲームビューは実際にプレイヤーが目にする状態を確認するのに非常に有用です。

ゲームビューの活用ポイント

  • 実際のゲーム画面を確認しながら開発を進められる
  • UIのレイアウトを調整するのに便利
  • カメラの配置や演出の確認ができる

シーンビューとゲームビューの違い

項目シーンビューゲームビュー
目的ゲーム世界の構築・編集・デザインゲームプレイの実際の見た目、動作確認
視点開発者が自由に変更可能カメラの視点に固定(プレイヤーが見る画面)
操作オブジェクトの配置・移動・回転・拡大縮小が可能ゲームモードでの動作をリアルタイムにチェック可能
プレイモードなしプレイモードで動作確認
用途レベルデザイン、シーン全体の調整UIのレイアウト、最終動作確認、デバッグ

この違いを理解することで、作業時にどちらのビューを使うべきかが明確になります。

シーンビューは設計や編集作業に、ゲームビューは完成後の動作確認や調整に最適です。

特に初学者は、まずシーンビューで基礎操作を習得し、その後ゲームビューで全体の仕上がりをチェックする流れが理想的です。

シーンビューとゲームビューの効果的な使い分け

Unityエディターでは、シーンビューとゲームビューをシームレスに切り替えながら作業を進めます。以下に、効果的な使い分けのポイントをまとめます。

  • レベルデザイン時
    シーンビューをメインに使用し、地形の作成、オブジェクトの配置、ライティング調整などを行います。シーンビューの自由な視点操作により、全体のバランスを把握しやすくなります。
  • プレイテスト時
    ゲームビューで実際の動作を確認します。プレイモードに切り替えてスクリプトの動作、物理演算、UIのレイアウトをチェックし、必要に応じて調整を加えます。
  • デバッグ時
    シーンビューでは、オブジェクトの動きを細かく監視しながらデバッグできるため、問題箇所の特定が容易になります。また、ゲームビューで実際の挙動を確認することで、ユーザー視点での問題を発見することも可能です。

実践的な応用例

ここでは、Unityエディターの基本操作を活かした簡単な応用例を紹介します。

例:シンプルな3Dシーンの作成
  1. シーンビューでのオブジェクト配置
    • 地面となる平面オブジェクト(Plane)を配置し、シーン全体の基盤を作成します。
    • 数種類の立方体(Cube)や球体(Sphere)を適当な位置に配置し、障害物やオブジェクトの配置を行います。
    • 各オブジェクトの位置や回転、スケールを調整して、シーン全体のバランスを整えます。
  2. ライトとカメラの設定
    • シーンビューでライト(Directional Light)を配置し、影や明暗のバランスを調整します。
    • ゲームビューに反映させるため、カメラの位置や向きを設定し、プレイヤー視点での見た目を確認します。
  3. プレイモードでの動作確認
    • 再生ボタンを押してゲームビューに切り替え、オブジェクトの動作や物理演算の挙動をチェックします。
    • UI(例えば、スコア表示やメニュー)を仮実装し、実際のプレイ感をシミュレーションします。

このように、シーンビューとゲームビューを使い分けることで、開発と動作確認をスムーズに行うことができ、初心者でも段階的に理解を深めることが可能です。


演習問題と解答例

演習問題

問題 1: シーンビューとゲームビューの違いを簡単に説明してください。

問題 2: シーンビューでオブジェクトを移動する方法を2つ挙げてください。

問題 3: ゲームビューで解像度を変更するにはどうすればよいですか?

問題 4: シーンビューではカメラ視点以外の角度からオブジェクトを確認できますが、ゲームビューではできません。この理由を説明してください。


解答例

解答 1

シーンビューはゲームの環境を編集するための作業スペースであり、自由な視点でオブジェクトを操作できる。一方、ゲームビューはプレイヤーが実際に見る視点を表示し、ゲームの動作を確認するために使われる。

解答 2
  1. オブジェクトを選択し、移動ツール(Move Tool)を使って移動する。
  2. 座標(Transformコンポーネント)を手動で入力して移動する。
解答 3

ゲームビューの上部にある「解像度」メニューから、任意の解像度を選択する。必要に応じてカスタム解像度を追加することもできる。

解答 4

ゲームビューではカメラの視点を使用するため、プレイヤーが見る角度でしか表示されない。シーンビューは開発者が自由に視点を変更できるため、どの角度からでもオブジェクトを確認できる。


まとめ

この記事では、Unityエディターの基本操作として、シーンビューとゲームビューの違いについて解説しました。シーンビューは開発作業用、ゲームビューはプレイ確認用と、それぞれの役割を理解し、効果的に使い分けましょう。

演習問題も活用しながら、Unityの基本操作をしっかり身につけていきましょう!